以前に鉛筆による石膏像のデッサンを数点お見せしましたが、 そのとき世話になった某絵画教室をしばらくぶりに覗いたら、知り合いの講師が「木炭デッサン、やってみないか」と誘いをかけてきた。 敵さんの誘いにに乗って、費用の事が頭をかすめたが、エエカッコシイで「やらせてください」、つい口がスベッてしまった。 久々に石膏デッサンに挑戦。若い頃には、熱心ではなかったが、いっとき木炭によるデッサンをやった時期がありました。 木炭はそれ以来だから、およそ60年ぶり。 教室で用意してくれた用紙は MADE IN FRANCE ☆☆☆∞MBM∞☆☆☆ INGRES D ARCHES と透かし入りのオシャレ~な紙なんですね~。筆記用木炭は柳だそうです。木炭の芯抜きや測り棒やトリミング用の覗き枠もあり、準備されたものに嬉しくなって「じゃ、やってみっか」 最近、根気がなくなってきたから、サササッと出来るだけ短時間でやろう。聖ジョルジュ像、かなりのイケメン青年。戦士らしい格好をしているのに〝聖〟を冠している。このギリシャ?ローマ?青年の来歴については、なーんにも知らない。 鉛筆の場合はかなりゴシゴシ強く描けるが、木炭は軽く・・・カァールク描いても強烈に黒くなる。慎重に描かないと真っ黒になりそう。紙面はこんなにヤスリ状のザラザラだった?とは。久々の木炭、巧く扱う感覚が戻ってこないまま、おっかなビックリの初日終了。長時間粘って、なんとか形が整ったかナー? さて、この先、如何様な仕上がりになりますか。 ふと気付いたことだが、私は何を描いても目線が低い。何に対しても、何様に対しても、へりくだって控えめな穏やかで奥ゆかしい、良い性格の表れなのだろう。つねにへつらったネジ繰れた性格の表れかも??? 参考作品や像の写真よりも下から見上げた位置から描いている。しかしこの像に限っては長い首がますます長く見えるから、目線を上げたほうが落ち着いたような気がして反省している。今後、偏った見方を改めよう。 今になって、上に掲げた写真は角度もよし、ベストな目線位置に見えてきた。 「ソウ!そう思ったら書き直しませふ」「えぇっ 勘弁してよ。我慢してこのまま続けるよ」 凡そ60年ぶりの木炭による石膏デッサン。描き味を小綺麗に見せたいが木炭は手強かった。 若いとき訓練でデッサンをやっていた頃、教える人は、「バックは塗るな!必要ない!余計なことするな!」と煩く言われたものでしたが、今回のものは、今更この歳、訓練のつもりはサラサラない。壁に貼っての観賞用のつもりだから、見栄えを気にしても宜しかろう。という事でコッテリと黒くして、メリハリを付けてみたつもり。 費用のことも考えてのスピード仕上げ。擦らず、はたかず、ほとんど消さず、修正せずの一気描き。2日間(およそ12時間?)で終了。 老いた手で意図したところに木炭を当てて引き描きするのが、かなり至難。手を浮かせ、軽やかに木炭を滑らせて筆圧?具合を加減することが難しい。肩は痛むし凝るし、あきらかに若い頃には戻れないことを実感させられた。(当ったり前だろ) 木炭描きは本当に難しかった。一瞬たりとも気を抜けない。老いの身に厳しい修行を強いるように感じられ、今後多分やらないだろう。やはり、何かにつけ、馴れ親しんでいる鉛筆描きが向いてるようだ。 この絵画塾では某講師の世話で異例の扱いで描かせてもらったので、施設名や講師名は絶対伏せて、明かさないでくれとのことでした。・・・・・・黙して御礼申し上げます。有難うございました。
by ky11shige
| 2015-06-18 00:04
| デッサン・素描
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